日本の学校では届かない「ネイティブの英語の壁」を、インターナショナルスクールが超えさせてくれる
── パイロットアナウンスから見える、インターナショナルスクールの価値
飛行機に乗ると、着陸後によくこんなアナウンスを耳にします。
Please remain seated with your seat belt fastened
until the aircraft has come to a complete stop.
(シートベルト着用のままお座りになって航空機が完全に停止するまでお待ちください。)
英語を学校で習ってきた人ほど、こう思うかもしれません。
- 「未来のことだから will come じゃないの?」 until the aircraft will stop completely…
- 「comes でも通じるのに、どうして has come なんだろう?」until the aircraft comes to a complete stop…
実はここに、
「日本の学校の英語」ではどうしても届かない領域と、
インターナショナルスクールが埋めてくれる“最後の10%” が、凝縮されています。
パイロットアナウンスの一文に隠れている、ネイティブの感覚
もう一度、問題の一文を見てみます。
Please remain seated with your seat belt fastened
until the aircraft has come to a complete stop.
文法的に言えば、正しい候補はいくつかあります。
- ✅ until the aircraft comes to a complete stop
- ✅ until the aircraft has come to a complete stop
ただし、
- ❌ until the aircraft will come to a complete stop
これは、英語のルール上変です。(until や when の節に will は入れないというルールがあるから)。
ここまでは、頑張れば学校文法の延長でも説明できます。
でも本当におもしろいのはここからです。
「comes」と「has come」の違いは、“時間”よりも“状態”
- comes
- 「止まる瞬間」まで
- タイミングにフォーカスした言い方
- has come
- 「止まる動作が終わって、完全に止まりきった状態になっているところ」まで
- 「状態の完了」を強く意識した言い方
パイロットや客室乗務員が本当に伝えたいのは、
「減速し始めたらOK」ではなく、
「完全に止まりきるまで立たないでください」
ですよね。
だからこそ、
has come to a complete stop という“完了した状態”をはっきり描く言い方が、現場では好まれます。
ここには、
- 「現在完了=経験・継続・完了・結果」という教科書用ラベルではなく
- 「どんな状態をイメージさせたいか」というネイティブの感覚
が強く働いています。
この「どっちも文法的には正しいけれど、この場面ならこっちの方が“らしい”」という判断こそが、ネイティブレベルの英語運用の世界です。
日本の学校英語は「80〜90%」までは連れて行ってくれる
ここで勘違いしてほしくないのは、
「日本の学校の英語がダメ」という話ではない、ということです。
日本の学校の英語は、
- 文法ルールを理解する
- 語彙を増やす
- 長文を読んで内容を把握する
- テストで点数が取れるようにする
といった **「リテラシーとしての英語」**を広く配る仕組みです。
その意味で、日本の学校英語はちゃんと機能しています。
読み書きの基礎力だけ見れば、世界的に見ても決して低くありません。
でも、パイロットアナウンスのような、
- comes と has come のニュアンスの差を、場面に合わせて選び分ける
- 「文法的にOKか」ではなく「その場で自然か」を基準に判断する
という “最後の10%” の領域は、どうしてもカバーし切れません。
言い方を変えると、日本の学校は
「英語を読む・テストで使う」ための80〜90%
までは連れて行ってくれます。
しかし、
「ネイティブと肩を並べて使いこなす」ための残り10%
は、構造的に届きにくいのです。
その「最後の10%」こそ、ネイティブとの差
この残り10%は、数字だけ見ると小さく見えます。
でも中身を分解すると、むしろここが一番大きい。
たとえば…
- ニュアンスを自然に選べるか
- “I think” と “I guess” の違い
- “Can you…?” と “Could you…?” の丁寧さの差
- “until it comes to a stop” と “until it has come to a complete stop” のような微妙な差
- 英語で「考えるクセ」があるか
- 先に日本語で考えてから英訳するのではなく、最初から英語で発想できるか
- 理科・社会・数学を英語で学び、説明できるか
- 空気を読んで英語を調整できるか
- 友達と話すときと、先生に話すときで表現を変えられるか
- プレゼンで、聞き手を引き込む話し方のリズムや強弱をコントロールできるか
こういう「運転技術」のような部分は、
教科書・問題集・文法用語の暗記だけでは、どうしても身につきません。
パイロットアナウンスの has come もそうですが、
「どっちも正しい。だけど、この場面で“らしい”のはこっち。」
という「最後のひと押し」ができるかどうか。
ここが、ネイティブとノンネイティブの差であり、
日本の学校英語と“ネイティブレベル”英語の差でもあります。
インターナショナルスクールは、「その10%」を埋めるための環境
では、この10%をどこで埋めるのか。
そこで登場するのが、**インターナショナルスクール(インター)**です。
インターが提供してくれるのは、
派手なカリキュラムの前にまず、
「英語で生きる」ことが当たり前の環境
です。
- 授業はすべて英語
- 宿題の説明も英語
- 友達との雑談・ケンカ・仲直りも英語
- 理科の実験も、歴史のディスカッションも英語
- プレゼンでクラスメイトを説得するのも英語
つまり、子どもにとって英語は
「テストのために勉強する科目」ではなく、
「毎日使わないと困るツール」
になります。
その結果、
- パイロットのアナウンスを聞いたとき、
「ああ、この has come の感じね」と感覚でわかる - 自分が人前で話す番になったとき、
comes か has come かを 意識せずに正しく選べる
こういうレベルまで、自然に引き上げられていきます。
これは、
週1〜2回の英会話や、教科書ベースの授業だけでは到達しにくい領域です。
だからこそ、
インターナショナルスクールは、「完璧に近い英語学習」を提供してくれる場所
だと言えます。
日本の学校 vs インターは「どっちが正しいか」ではなく「どこまで目指すか」
最後に大事なのは、
これは「日本の学校がダメで、インターが正しい」という話ではない、ということです。
日本の学校には、日本の学校の役割があります。
- 日本語での学力
- 集団生活のルール
- 日本社会で生きるための基盤
これらを、限られた時間と予算で多くの子どもに届ける。
それはそれで、かけがえのない価値です。
ただ、
「ネイティブに限りなく近い英語を、本気で身につけさせたい」
と考えるなら、
その**最後の10%**を埋めるために、
「英語で生きる環境」=インターナショナルスクール
は、非常に現実的で、そして強力な選択肢になります。
見た目には「10%の差」にしか見えないかもしれません。
でも、その10%こそが、
- ネイティブと対等に議論できるか
- 英語で学び、働き、発信できるか
- 世界のどこに行っても、自分の言葉で勝負できるか
を左右する、大きな差になります。
パイロットアナウンスのたった一文、
until the aircraft has come to a complete stop
その「has come」を自然に選べるかどうか。
そこに、「日本の学校の英語」と
「インターが育てるネイティブレベルの英語」の違いが、象徴的に表れていると感じています。